質量分析・表面分析用の新規イオンビーム銃の研究開発

准教授 二宮 啓

電子メール:sninomiya@yamanashi.ac.jp

工学分野においては物理量の精密な測定のために様々な分析手法が開発されており,大学での先端研究や企業開発部門における評価解析技術として欠かせないツールとなっています。原子や分子をイオンにしてビームとして使用すれば、電子デバイスや生物試料など幅広い試料の分析に応用できます。研究室ではこれまでにない特殊なイオンビームを作り出す手段としてエレクトロスプレーと呼ばれる現象に着目し、それによって発生する電荷をもった微小な液滴(帯電液滴)をビームとして利用するための研究開発を行っています。大気圧中で帯電液滴を発生させると左上図のようにビームが拡散してしまいますが、真空中で発生させると右上図のように拡散のほとんどない細い帯電液滴ビームが得られることがわかりました。帯電液滴ビームを右下図に示すような質量分析装置と組み合わせれば、大幅に感度の高いイメージング質量分析やこれまで分析が極めて困難であった試料の分析が可能になると考えられます。

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新しいビーム源の写真(上)および開発中のビーム発生装置と質量分析装置に搭載したときの組立図(下)