低環境負荷な印刷技術を用いた有機エレクトロニクスの研究

onojima

山梨大学 工学部 電気電子工学科担当

准教授 小野島 紀夫  電子メール:nonojima@yamanashi.ac.jp

 有機エレクトロニクスでは,紙のように軽くて曲げられるディスプレイや付箋シールのようにどこでも好きな場所に貼れる電子タグ,絆創膏のように皮膚に付着したり体内に埋め込める医療介護用センサなど,これまでにないあらゆるところにエレクトロニクスが存在するIoT(Internet of Things)社会の実現を目指しています.また,IoTを支えるセンサノード用電源として有機太陽電池を利用する環境発電が注目されています.私たちは,低環境負荷な印刷技術による有機デバイスの作製を行っています.とくに,分子の自己組織化を利用した高次構造(結晶の分子配向や相分離)の制御を研究しています.これは,従来のシリコン半導体の微細加工によるトップダウン型に代わり,分子が自然にもつ能力を生かしたボトムアップ型のナノデバイス創成につながると期待されます.また,成熟したシリコン半導体の加工技術(異方性エッチングや不純物ドーピング)を印刷プロセスに応用して,相補型有機LSI(低消費電力のフレキシブルコンピュータ)の実現を目指しています.