マルチバンドギャップ半導体による高効率太陽電池材料の開発
山梨大学 工学部 電気電子工学科担当
教授 鍋谷 暢一 電子メール:nabetani@yamanashi.ac.jp
禁制帯中に中間バンドをもつマルチバンドギャップ半導体では、図に示すように中間バンドが「飛び石」として働き、禁制帯幅よりも小さいエネルギーの光も吸収し光電変換に利用できます。このマルチバンドギャップ半導体として、II-VI族化合物半導体のZnTeに酸素をわずかに添加したZnTeO混晶の研究をしています。酸素は電気陰性度が大きいために電子を局在化し、その局在準位が禁制帯中に形成されます。しかしZnTeOは非混和性が強く、酸素の組成を均一にすることは困難です。そこで分子線エピタキシー(MBE)でRFプラズマによる活性酸素を用いたエピタキシャル成長を行っています。現在までに、0.5%程度までの均一な酸素組成のZnTeO混晶が成長できており、局在準位を介した光吸収によって自由キャリアが生成できることが検証できています。
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